2008年 の記事アーカイブ

生物学的に正しいカブトガニ饅頭
カブトガニ饅頭@岡山県笠岡市
カブトガニ饅頭@岡山県笠岡市

 岡山県笠岡市は、広大な干潟に天然記念物・カブトガニが生息していた町として知られている。
 そのため、町にはカブトガニ博物館が建ち、マンホールや掲示板、商店街ののぼりなど、町のそこかしこにカブトガニをあしらったマークがあふれている。
 当然、当地のお土産も「カブトガニ饅頭」だ。

続きを読む

『かわらの小石の図鑑』—千葉とき子・斎藤靖二著・東海大学出版会
『かわらの小石の図鑑』
『かわらの小石の図鑑』

 河原を歩いていると、落ちている小石につい目がいく。川の水に洗い流されて、楕円形のいい形になっている石は、書道などしなくても文鎮にぴったりだと思ったり、メモ用紙をおさえておくのにちょうどいいと思って、記念に持ち帰ったりする人もいることだろう。

 この本はそんな石たちの出自来歴を知るための一冊。石の色や表面の模様などから、どのようにして生まれた岩石かがわかるようになっている。
 具体的な河川として、関東地方の荒川、多摩川、相模川をあげ、そこで採れる(拾える)小石も列挙されている。

続きを読む

『きのこ博物館』—根田 仁著・八坂書房
きのこ博物館
きのこ博物館

 「食えるか/食えないか」「美しいか/美しくないか」で判断するフィールドガイドとは異なり、『和漢三才図会』や『本草綱目』などの過去の文献にキノコがどう書かれているかを緻密に取り上げることによって、人とキノコの歴史的関わりをあぶり焼き(じゅ〜〜っ)…じゃなくって、あぶり出す。

 例えば、店で売られている「しめじ」は実はヒラタケで、「ほんしめじ」の商品も本当のところはブナシメジであり、シメジという和名を持つキノコは存在せず、一方、ホンシメジというキノコは存在するが、それは現在でも栽培がままならないという、「しめじ」ひとつとっても混迷するキノコ情勢。
 筆者は江戸時代の文献をひもときながら、もともとは、類似の食用になるきのこをひっくるめてシメジの名で呼んでいたのかもしれないと推察する。

続きを読む

『オホーツクのホタテ漁業』—西浜雄二著・北海道大学図書刊行会
bkokhotsk

 オホーツク海、とくにサロマ湖近辺のホタテ漁業の問題点や現状を、歴史的な経緯とともに解説している。なんだ、専門書かというなかれ。オホーツクのホタテ貝が今日の地位を築くに至った背景にはさまざまな努力と偶然が隠されているのだ。

続きを読む

『地図のない旅なんて!』—大沼一雄著・東洋書店
517fkdveqjl_ss500_

 著者は元高校の先生。地図を活用するといかに魅力的な旅になるかということを説く。そもそも、鉄道や道路、集落などは、最初から偶然そこにあるのではなく、その土地の人々の生活の積み重ねの上に形成されていったものだ。地図を「読む」ことで、現地の地形や景色だけではなく、その土地に刻み込まれた 人々の暮らし文化を読み解く楽しみがでてくる。

続きを読む