名所旧跡カテゴリーの記事

がっかりスポットに響く、札幌の心音[札幌市時計台(旧札幌農学校演武場)]
札幌市時計台
札幌市時計台

日本三大がっかりスポットというのがある。札幌の「時計台」と高知の「はりまや橋」と、あとひとつどこだっけ?
ともかく、その「札幌市時計台」である。

♪時計台の下で逢って、私の恋ははじまりました〜石原裕次郎「恋の町札幌」1972年)などと唄われ、観光パンフなどには必須の名所であるが、実際には、周りを高いビルに囲まれて、小さな木造の建物があるだけで、行った人は皆がっかり……というわけで「三大がっかりスポット」などといった名称を奉られている。

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海辺に流れ着いた、ある柑橘類の物語[大日比ナツミカン原樹]
大日比ナツミカン原樹
大日比ナツミカン原樹

現在も民家の庭先にあるナツミカンの原樹

ナツミカンの出自はロマンチックだ。江戸時代中頃の1700年頃、山口県の大日比の海岸(現・長門市仙崎)に流れ着いた、みたこともない柑橘類の果実を西本チョウという女性が見つけて、そのタネからナツミカンができたと伝えられている。

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クジラの胎児の冥福を祈る[青海島鯨墓]
青海島鯨墓
青海島鯨墓

江戸時代初期から沿岸捕鯨で栄えていた青海島に伝わる鯨墓

人間、生きていくためには、植物であれ動物であれ、何らかの命を奪わなければならない。
このことに罪の意識を感じるようになったのは、仏教伝来以降なのかもしれないが、それはともかく、それゆえに、各地に我々の食材となった生物に関する供養碑や感謝碑をあまた見ることができる。
青海島(山口県長門市)の通(かよい)地区にある「青海島鯨墓」はそのような供養碑の中でも珍しく、クジラの胎児のみを供養したものだ。

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ミニ火山と池のなかの海[笠山・明神池]
笠山(山頂からの眺め)
笠山(山頂からの眺め)

 萩は歴史の町として有名だが、自然史的にも興味深いエリアである。
 萩市から山口市にかけては阿武火山群と呼ばれる50あまりもの火山が分布している。萩沖には見島、大島、羽島などの島々が浮かんでいるが、これらがすべて火山なのである。
 なかでも一番若い火山が、萩郊外の海岸に陸続きになってこんもりと盛り上がっている笠山(標高112m)だ。約1万年前に噴火し、「日本一小さい火山」として観光ガイドに紹介されることもある。火山の定義は各種あるので科学的な言い方ではないが、眺めてみると確かに小さい。

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東海道屈指の富士山ビュースポット[薩埵峠(さった峠)]
薩埵峠(さった峠)
薩埵峠(さった峠)

旧東海道をちょっとだけ歩いて、いいとこ取りしようと思ったら、箱根旧街道などがあげられるだろうか。
だが、ここも見逃すわけにはいかない。由比宿と興津宿の間に位置する高さ90mの薩埵峠だ。歌川(安藤)広重の「東海道五十三次・由比宿」にも描かれた富士山ビュースポットである。

東海道本線を由比駅で降り、駅前の道を西へ向かう。道の先の方に小高い山が見えてきた。150mほど進むと車道をまたぐ小さな歩道橋がある。これを渡って、山側に併走する細い道へ入ろう。

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