自然地形カテゴリーの記事

[感想後記]谷戸がもたらしたそうめんや製氷—横浜市歴史博物館「鶴見川流域のくらし」展
横浜市歴史博物館
横浜市歴史博物館

 横浜というのは坂の町である。
 埋め立てで造られたベイエリアを歩いている分にはわからないが、ひとたび内陸部に入ると尾根と谷が入り組み、非常に起伏に富んだ町並みとなっている。なので、うっかり道を1本間違えると、目的地が別の尾根だったりして、何度も坂の上り下りをするハメになる。
 横浜市歴史博物館(横浜市都筑区)の常設展にある地形模型(写真)からもその雰囲気がうかがえよう。

続きを読む

目の前の海に生息する海洋生物について知る[葉山しおさい博物館]
神奈川県・三浦半島・逗子・一色海岸
神奈川県・三浦半島・逗子・一色海岸

葉山しおさい博物館がある、一色海岸

今はもう秋、誰もいない海——そんな海岸を、貝殻を拾ったりしながら散歩していると、人によってはとても寂しく感じて、そのまま入水でもしたくなってしまうかも知れないが、海の中は決してそんなことはなく、豊潤な生命で満ちあふれている。

波打ち際の砂に点々と空いた呼吸穴はそこに貝がたくさん生息している証拠だし、沖合を通る漁船や釣り船の姿は、この海がどんな寂しそうに見えても、海の幸を約束する海域であることを物語っている。

続きを読む

海辺に流れ着いた、ある柑橘類の物語[大日比ナツミカン原樹]
大日比ナツミカン原樹
大日比ナツミカン原樹

現在も民家の庭先にあるナツミカンの原樹

ナツミカンの出自はロマンチックだ。江戸時代中頃の1700年頃、山口県の大日比の海岸(現・長門市仙崎)に流れ着いた、みたこともない柑橘類の果実を西本チョウという女性が見つけて、そのタネからナツミカンができたと伝えられている。

続きを読む

ミニ火山と池のなかの海[笠山・明神池]
笠山(山頂からの眺め)
笠山(山頂からの眺め)

 萩は歴史の町として有名だが、自然史的にも興味深いエリアである。
 萩市から山口市にかけては阿武火山群と呼ばれる50あまりもの火山が分布している。萩沖には見島、大島、羽島などの島々が浮かんでいるが、これらがすべて火山なのである。
 なかでも一番若い火山が、萩郊外の海岸に陸続きになってこんもりと盛り上がっている笠山(標高112m)だ。約1万年前に噴火し、「日本一小さい火山」として観光ガイドに紹介されることもある。火山の定義は各種あるので科学的な言い方ではないが、眺めてみると確かに小さい。

続きを読む

東海道屈指の富士山ビュースポット[薩埵峠(さった峠)]
薩埵峠(さった峠)
薩埵峠(さった峠)

旧東海道をちょっとだけ歩いて、いいとこ取りしようと思ったら、箱根旧街道などがあげられるだろうか。
だが、ここも見逃すわけにはいかない。由比宿と興津宿の間に位置する高さ90mの薩埵峠だ。歌川(安藤)広重の「東海道五十三次・由比宿」にも描かれた富士山ビュースポットである。

東海道本線を由比駅で降り、駅前の道を西へ向かう。道の先の方に小高い山が見えてきた。150mほど進むと車道をまたぐ小さな歩道橋がある。これを渡って、山側に併走する細い道へ入ろう。

続きを読む