美術館カテゴリーの記事
目黒区美術館(東京都目黒区)では、2016年10月22日〜12月18日の会期で「色の博物誌 江戸の色材を視る・読む」展を開催している。
色の原材料に着目し、国絵図(絵地図)や浮世絵の色がどのように作られているのかアプローチしていく、美術館での企画展としては珍しいテーマだ。
国絵図は、江戸時代、幕府の命によって各藩が制作した自国の絵地図で、畳数枚分にも及ぶ巨大なものだ。会場には、岡山大学附属図書館の池田文庫所蔵の備前、備中(いずれも現・岡山県)の地図が並ぶ。
東京都庭園美術館(東京都港区)では、2016年1月16日〜4月10日の会期で「ガレの庭 花々と声なきものたちの言葉」展を開催する。それに先立ち、特別鑑賞会(内覧会)が1月14日に行われた。
19世紀末のヨーロッパに登場したアール・ヌーヴォー(新しい芸術
の意)は、なめらかな曲線や曲面を造形状の特徴とする建築や工芸の様式で、その着想を植物から得ていることが多い。エミール・ガレ(1846-1904)は、陶芸・ガラス・木工家具のジャンルで活躍した、アール・ヌーヴォーの代表的人物のひとりである。
一休宗純(1394-1481)は室町時代の禅僧で、反骨・風狂の人であった。とんち小僧「一休さん」のモデルとしても知られている。実在の一休は、正月に髑髏を掲げて洛中を歩いたり、朱塗りの鞘に収めた木剣を持って町を練り歩くなど奇異な行動をとったとの逸話がある。
一方、「それでは将軍さま、虎を追い出して下さい」と言って大人たちをへこます一休さんとのイメージの差はあまりに大きい。この両方にスポットをあて、「一休」像を描き出しているのが、この企画展だ。
銅鏡というと、古墳の埋葬品というイメージがある。弥生時代に中国から伝来し、やがて国産の銅鏡(倭鏡)が誕生、古墳時代には広く日本各地へと伝わっていった。川崎市市民ミュージアム(神奈川県川崎市)の、企画展 「古鏡 その神秘の力」は、初公開100面を含む約200面の古鏡で、銅鏡の変遷やそれに託された世界観をたどっていく(会期:2015年10月10日〜11月23日)。
会場に入ると、川崎市から出土した三角縁神獣鏡(復元)が鏡面を表にして展示されている。銅鏡はいつも鏡背(鏡面の裏側)の紋様が注目されるが、本来はこちらの鏡面がメインなのだ(鏡だから当たり前なのだが)。この銅鏡は20%以上の錫と銅で鋳造されたという。銀色を帯びた光沢が印象的で、当時の輝きを追体験できる。
1950(昭和25)年に店頭人形として登場して以来、人形はもちろん、菓子箱、パッケージ、広告、CMなどで親しまれてきた不二家のキャラクター・ペコちゃん。その65年に及ぶ歴史をたどることができる企画展が、平塚市美術館(神奈川県平塚市)で開催中だ(会期:2015年7月11日〜9月13日)。
入口にはペコちゃん・ポコちゃんのFRP人形が並び、ピースな雰囲気を出しているが、入って一発目の展示が、写真家の田沼武能による「ペコちゃん人形のもつミルキーの箱を狙う戦災孤児,銀座」(1950年)である。