博物図鑑カテゴリーの記事

シーボルトゆかりの大ミミズ[シーボルトミミズ]
シーボルトミミズ@四万十市(旧西土佐村)で撮影
シーボルトミミズ@四万十市(旧西土佐村)で撮影

オランダ東インド会社の日本商館付医員として、1823(文政6)年に来日したフィリップ・フランツ・フォン・シーボルト(1796〜1866)は、江戸期の外国人のなかでは黒船のペリーと並んで、日本での知名度が高い。彼は医師であったが、日本に強い関心を持ち、動植物の収集に打ち込む、自然科学の研究者でもあった。

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深海にただよう火の玉?[ザラビクニン]
ザラビクニン@登別マリンパークニクス
ザラビクニン@登別マリンパークニクス

 表層では暖流の影響を受けている日本海だが、海底では四季を通じて水温が0〜2度という「日本海固有水(日本海固有冷水)」と呼ばれる冷水域がある。

 冷水域には、ホッコクアカエビやベニズワイガニなどがおり、日本海がエビやカニの産地として有名なのはこの冷水魂のおかげといってもいいのだが、なかにはこのザラビクニンのような不思議なかっこうの魚も。

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特別天然記念物を食す悦楽?[ホタルイカ]
ホタルイカ
ホタルイカ

 富山湾の春の風物詩といえば、ホタルイカ漁が挙げられる。普段は深海に棲息しているが、春の産卵期には浅海にあがってきて、大挙して発光する様子が名物になっている。

 ホタルイカは1585(天正13)年、富山県滑川の四歩一屋四郎兵衛が藁台網(ワラで作った定置網の一種)でとったのが初めとされている。地元では長らく、単に小イカと称されてきたが、1905(明治38)年にホタルイカと命名され、学界の注目を集めるようになった。

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顔出し看板にもなったシンボルフィッシュ[アブラボウズ]
アブラボウズ@室蘭水族館
アブラボウズ@室蘭水族館

 カサゴ目ギンダラ科の寒流系深海魚で、水深300〜500mの岩礁上に生息している。成魚は1〜1.8mになる。
 ギンダラよりも脂肪分(ワックス)が多く含まれているため、この名がある。

 深海魚といっても、一生を深海で過ごすものはまれで、幼魚の時代は餌の豊富な海面付近で過ごすものが多い。このアブラボウズも幼魚は海面を流れる海藻などを隠れ家にして過ごす。

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童謡で一大スターダムに[アイアイ]
アイアイ:上野動物園
アイアイ:上野動物園

日本では上野動物園でのみ飼育されているアイアイ

アイアイ Daubentonia madagascariensis は原猿類に属するキツネザルの仲間で、地球上でマダガスカル島のごく限られた地域にしか棲息していない。日本では上野動物園だけで飼育・展示されている。

アイアイ:上野動物園

樹の中にいる昆虫などをほじくりだすため、中指が極端に細長いのも特徴。マダガスカルでは「悪魔の使い」として忌み嫌われ、見つけ次第殺したりすることもあるという

日本では実物よりもむしろ、童謡で知られている。事実、上野動物園のアイアイのコーナーでは、来場者のほとんどがアイアイの歌を口ずさみながら入ってくる。アイアイの名がこれだけ人口に膾炙する国も珍しいと思われるが、童謡「アイアイ」の作詞者・田村裕美氏は、作詞の際のエピソードをこう語っている。

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