博物図鑑カテゴリーの記事

関東にトノサマはおらず!?[トウキョウダルマガエル]
トウキョウダルマガエル@井の頭自然文化園
トウキョウダルマガエル@井の頭自然文化園

トウキョウダルマガエル(井の頭自然文化園の飼育展示)

トノサマガエル、アマガエル、カエルにいろいろあるけれど、じつは関東近辺にはトノサマガエルはおらず、関東近辺でトノサマガエルと言われているのは、ほとんどがこのトウキョウダルマガエル Rana porosa porosa だという。

かつてはトノサマガエル Pelophylax nigromaculatus が広く分布しているものと思われていたが、隆条(背中の線)に相違があり、また鳴き声も異なっている。

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ある時はバレーボール、またある時は頭蓋骨、しかしその正体は…[オニフスベ]
オニフスベ
オニフスベ

巨大キノコ、オニフスベ。脇のペットボトルは大きさ比較用

見た目は空気が抜けてつぶれたバレーボールのようだ。大きさもちょうどそれぐらい。近寄ってみると、外皮に細かいしわが走っている。これでもれっきとしたキノコである。
キノコだとわかっているからいいようなものの、そうでなかったら薄気味悪い。「頭蓋骨が転がっている」と騒ぎになるというのも頷ける。

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工芸品のような史上最大の二枚貝[シカマイア]
シカマイア復元模型:国立科学博物館
シカマイア復元模型:国立科学博物館

シカマイア復元模型:国立科学博物館

水盤として花を生けてもよさそうだし、料理皿としても引き立つかもしれない。そのまま、床の間に飾ってもいい——そんな、品の良さそうな陶器にみえるが、これが生物だというから驚く。

シカマイアという、全長1m以上にもなる二枚貝の復元模型(国立科学博物館)だ。古生代ペルム紀後期に生息し、日本やマレーシアなどから密集して産出する。

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深海底での待ち伏せ型の生物か?[メンダコ]
メンダコ@国立科学博物館
メンダコ@国立科学博物館

 膜でつながり、放射状に広がった足を持つ深海性のタコ。体はゼラチン質できわめて柔らかい。
 泳ぎ方がUFOのようで、耳のようなヒレをパコパコと動かす様子が愛らしいと言われているが、飼育が難しく、各地の水族館でも短期間散発的に展示された記録があるだけで、実際に泳いでいる様子などはなかなかお目にかかれない。

 新江ノ島水族館(神奈川県藤沢市)では、2015年4月10日に飼育展示を終了するまで40日以上の飼育に成功し、飼育最長記録を樹立した。同館では、2013年に22日間、2014年には20日間の飼育に成功していた。このほか、沼津港深海水族館(静岡県沼津市)が27日間の飼育に成功している。

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硫化鉄でできた体をもつ深海生物[ウロコフネタマガイ(スケーリーフット)]
ウロコフネタマガイ
ウロコフネタマガイ

 インド洋の深海底熱水活動域に生息する、硫化鉄でできた鱗をもつ巻き貝。
 2001年4月にインド洋のカイレイフィールド(水深2420〜2450m)で、アメリカの研究チームによって発見された。
 通常の巻き貝とは異なって蓋がなく、かわりに鎧のような鱗で覆われた足がある。これをすぼめて身を守ると考えられているが、この鱗が、鉄とイオウを原材料とする硫化鉄でできており、体の一部が硫化鉄でできた世界初の生物として報告された。通称「スケーリーフット」(鱗のある足)と呼ばれている。

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