今月の切手カテゴリーの記事

切手趣味週間「彦根屛風」(1976年)
切手趣味週間「彦根屛風」
切手趣味週間「彦根屛風」

4月は切手趣味週間にあたるので、美術絵画を題材にした記念切手が発行されることが多い。1976(昭和51)年4月20日に発行された「彦根屛風」は、彦根藩主井伊家に伝わる国宝を元にその一部を図案化したもの。
彦根屏風は、2016(平成28)年に彦根城博物館の調査で、購入者が井伊家12代当主・直亮だったことがわかった。直亮は詳細な覚書を残しており、博物館がその覚書を修復して確認した。当初は「金千両」と提示されたが、交渉で値引きしたという。残念ながら購入金額について記された部分は損傷が激しく、結局いくらで購入したのか、完全には判読できなかったそうだ。

世界一周航空路線開設記念(1967年)
世界一周航空路線開設記念(1967年)
世界一周航空路線開設記念(1967年)

1967(昭和42)年3月6日、日本航空による世界一周路線が開設され、午後0時30分、東京の羽田空港から第1便が飛び立った。これを記念して同日発行された切手。
前年、乗り入れを開始したニューヨーク路線をロンドンまで延長し、既存のヨーロッパ路線と接続したことで実現した。東回りと西回りでそれぞれ週2便ずつ運航され、所要時間は58時間55分(飛行時間44時間20分)だった。
切手には、東京から東回りにホノルル、サンフランシスコ、ニューヨーク、ロンドン、パリまたはフランクフルト、ローマ、カイロ、テヘラン、ニューデリー、バンコク、香港、そして東京という就航路線図が描かれていて、まるですごろくのように見える。中央は、当時の主力機であったダグラスDC-8型機。

偕楽園(1966年)
偕楽園(1966年)
偕楽園(1966年)

日本三名園を題材とする名園シリーズとして、1966(昭和41)年2月25日に発行されたもの。ちょうど梅のシーズンにあわせて、梅の名所である水戸の偕楽園を描く。白梅の背景に好文亭を配し、地色を金にして引き立てている印象的な図柄だが、『日本切手辞典』(1976年)によると、〈この金色は黄銅粉を使っているので黒変するおそれがある〉という。切手発行から50年以上経った現在、実物を見た限りでは、とくに変色したりくすんだりしている様子もないが、もしかしたら発行当初はもっと金色に輝いていたのかも知れない。

第17回国際文通週間(1973年)
伊藤若冲「仙人掌群鶏図襖絵」国際文通週間
伊藤若冲「仙人掌群鶏図襖絵」国際文通週間

2016年は伊藤若冲生誕300年ということで、多くの回顧展が企画された。4月に東京都美術館で開催された「若冲展」は、直前にテレビで若冲が取り上げられたこともあって大勢の観客が押し寄せて、その混雑ぶりが話題になった。
この切手は、その「若冲展」にも出品された、大阪・西福寺蔵の重要文化財「仙人掌群鶏図襖絵」を原図にしたもの。もとが紙本金地着色なので、切手も金ピカの上に鶏が闊歩するという、かなり派手な仕上がりになっている。
「若冲展」はまだまだ各地で行われていて、京都国立博物館でも「特集陳列 生誕300年 伊藤若冲」を2016年12月13日〜2017年1月15日の会期で開催する。残念ながら、この「仙人掌群鶏図襖絵」は出品されないが。

SLシリーズ第1集(1974年)
SLシリーズ第1集(1974年)
SLシリーズ第1集(1974年)

1970年代前半、各地で蒸気機関車が姿を消していくとともに「SLブーム」が起こった。漫画『サザエさん』でも、波平が蒸気機関車をカメラに収めようと、三脚を抱えて走り回る姿が描かれている。郵政省はこの人気に〈便乗して〉(『日本切手辞典』1976年)、1974(昭和49)年11月26日から翌年6月にかけて、全10種の「SLシリーズ」を発行した。
第1集は「D51型」と「C57型」の2種。鉄道友の会会員による写真を原図としており、D51は吉都線加久藤〜京町間、C57は日豊本線宮崎〜南宮崎間で撮影された。D51は国鉄機関車としては最大の1115両が生産されたが、『日本切手大辞典』によると1974年5月には〈わずか108両となり、やがて消えゆく運命である〉とトキのような書かれ方をしている。蒸気機関車は1975(昭和50)年に国鉄の定期列車からは全廃。なくなるとなると惜しむ声も多く、国鉄は1979(昭和54)年に「SLやまぐち号」を運行し、観光列車として復活させた。