今月の切手カテゴリーの記事

オオイトカケガイ(1989年)
オオイトカケガイ(1989年)
オオイトカケガイ(1989年)

2017年6月1日から郵便料金の改正で、通常ハガキが62円になった。写真は消費税が初めて導入された1989(平成元)年に、封書の料金が60円から62円になったことに対応して発行された普通切手。図案のオオイトカケガイは、房総半島以南からオーストラリア西部までの水深50m前後の砂底に棲む貝で、その美しいフォルムから18〜19世紀には熱狂的な収集ブームを巻き起こしたという。
切手の方は、さすがにもう郵便局でも売れ残ってはいないだろうが、もし手元にあれば、涼やかで暑中見舞いのハガキなどにぴったりだ。

第25回愛鳥週間(1971年)
第25回愛鳥週間(1971年)
第25回愛鳥週間(1971年)

毎年5月10日から1週間は、愛鳥週間(バードウィーク)と呼ばれる。1947(昭和22)年の「バードデー」に端を発し、1950(昭和25)年から現在のウィークリースタイルになった。この切手は第25回を記念して1971(昭和46)年5月10日に発行されたもので、シジュウカラの親子を描いている。
ところで先頃、日本郵便が切手デザイナーを募集して話題になった。日本でわずか7名のみという仕事のユニークさはデイリーポータルZの記事「切手デザイナーはクッキーを焼くのも仕事」に詳しい。切手というのは小さいながらも手紙のとして、人々の注目度も高い。この切手も、〈親鳥の右翼の羽の重なり方が逆〉で〈これでは飛べないと新聞に〉出たそうだ(『日本切手辞典』1976年)。デザインの能力に加え、原図作成のための観察力と注意力が問われる狭き門なのだろう。

切手趣味週間「彦根屛風」(1976年)
切手趣味週間「彦根屛風」
切手趣味週間「彦根屛風」

4月は切手趣味週間にあたるので、美術絵画を題材にした記念切手が発行されることが多い。1976(昭和51)年4月20日に発行された「彦根屛風」は、彦根藩主井伊家に伝わる国宝を元にその一部を図案化したもの。
彦根屏風は、2016(平成28)年に彦根城博物館の調査で、購入者が井伊家12代当主・直亮だったことがわかった。直亮は詳細な覚書を残しており、博物館がその覚書を修復して確認した。当初は「金千両」と提示されたが、交渉で値引きしたという。残念ながら購入金額について記された部分は損傷が激しく、結局いくらで購入したのか、完全には判読できなかったそうだ。

世界一周航空路線開設記念(1967年)
世界一周航空路線開設記念(1967年)
世界一周航空路線開設記念(1967年)

1967(昭和42)年3月6日、日本航空による世界一周路線が開設され、午後0時30分、東京の羽田空港から第1便が飛び立った。これを記念して同日発行された切手。
前年、乗り入れを開始したニューヨーク路線をロンドンまで延長し、既存のヨーロッパ路線と接続したことで実現した。東回りと西回りでそれぞれ週2便ずつ運航され、所要時間は58時間55分(飛行時間44時間20分)だった。
切手には、東京から東回りにホノルル、サンフランシスコ、ニューヨーク、ロンドン、パリまたはフランクフルト、ローマ、カイロ、テヘラン、ニューデリー、バンコク、香港、そして東京という就航路線図が描かれていて、まるですごろくのように見える。中央は、当時の主力機であったダグラスDC-8型機。

偕楽園(1966年)
偕楽園(1966年)
偕楽園(1966年)

日本三名園を題材とする名園シリーズとして、1966(昭和41)年2月25日に発行されたもの。ちょうど梅のシーズンにあわせて、梅の名所である水戸の偕楽園を描く。白梅の背景に好文亭を配し、地色を金にして引き立てている印象的な図柄だが、『日本切手辞典』(1976年)によると、〈この金色は黄銅粉を使っているので黒変するおそれがある〉という。切手発行から50年以上経った現在、実物を見た限りでは、とくに変色したりくすんだりしている様子もないが、もしかしたら発行当初はもっと金色に輝いていたのかも知れない。