今月の旬カテゴリーの記事

カツオブシ
カツオブシの模型
カツオブシの模型

 カツオならともかく、節に旬があるかと思うかもしれないが、カツオブシにするには春から初夏にかけての脂が少ないカツオが適している。これは春節と呼ばれ、戻りガツオを用いた夏節より品質がよいとされる。
 写真は東京海洋大学海洋科学部附属水産資料館に展示されているカツオブシの「模型」。焙乾の終わったカツオブシは付着したタールや脂肪などを削り落とす必要があるが、その時カツオの筋肉の方向に沿って削らないといけない。そのため、削る方向を教える目的で作られたのだという。

グレープフルーツ
グレープフルーツ
グレープフルーツ

 カリブ海のバルバドスで自然雑種として生じ、19世紀にフロリダに導入された。フロリダで収穫されるものの旬は4〜5月という。日本では気候の関係からか、酸味の低い果実を得ることは難しく、生産量はごくわずか。
 このグレープフルーツが拙宅の庭に自然に実ったことがある。ゴミの堆肥からの実生で、おそらく30年ぐらいかかって実った。その年の気候がよかったのか、それとも気候変動で日本がフロリダみたいになったのか。
 ありがたくいただいてみたが、市販品とは比べものにならない、身も引き締まるくらいの、容赦ない酸味であった。自然栽培(?)で無農薬だったので、マーマレードにしたところ美味だった。無農薬のグレープフルーツ、これはかなり贅沢な体験だったかもしれない。

ハマグリ
新宿歴史博物館
新宿歴史博物館

 6月の産卵期を前にして栄養分を蓄える3〜4月が旬。写真は、新宿区立新宿歴史博物館の昭和10年代サラリーマン宅の再現展示。ハマグリの吸い物にちらし寿司などが見えることから、ひな祭りの祝いの食卓だとわかる。ハマグリは対となる貝殻以外とは組み合わないことから、良縁を願う縁起物として重宝された。
 ハマグリの若貝は生息環境が悪化すると、粘液をひも状にして分泌し、それを帆のようにして引き潮などを利用して海底を長距離移動する。よそから移入して蒔いたハマグリが一晩で逃散した話もあるという。ハマグリ料理、人事異動のシーズンを前にした縁起物としてもいいかもしれない!?

ウンシュウミカン
ウンシュウミカン@静岡
ウンシュウミカン@静岡

 いわゆる普通のミカンである。9月上旬から極早生がスタンバイし、早生温州、普通温州早熟系、中熟系、晩熟系と3月まで産地を変えながら出荷が続く。
 江戸時代初期、突然変異によって出現。果皮が薄く、タネがなくて食べやすいが、江戸時代には「子種がなくて縁起が悪い」として嫌われ、タネの多いキシュウミカンが主流だった。そんな縁起担ぎも薄れてきたか、明治中期になってやっとブレイク。ウンシュウにとってはとんだ下積み期間だった。
 ごくまれに小さなタネが入っていることがあるが、本来タネのない実にタネが入っているのだから、江戸時代人にでもなったつもりで、大いに喜んでみるといいことがある…かもしれない。

クリスマスケーキ
バースデー - ケーキ@『國民百科大辞典』より
バースデー - ケーキ@『國民百科大辞典』より

 というのか分からないが、この季節ほど洋菓子コーナーに大きなケーキが並ぶときはないだろう。今から75年前の昭和12年に刊行された『國民百科大辞典』(冨山房)に「バースデー – ケーキ」なる項目があった。今日、我々の知るものと微妙になにか違う。よくみると、スポンジの上はアイシングで山盛りだ。冷蔵設備の普及してない当時、生クリームなど使うすべもなかったのだろう。
 このあと歴史は、アイシング→バタークリーム→生クリームという発展を遂げていくことになる。
 クリスマス会などでケーキを手作りされる方は、この3種をつくって、歴史的な食べ比べをしてみるのもおもしろいかもしれない!?