月刊コラムカテゴリーの記事

国立科学博物館100年記念(1977年)
国立科学博物館100年記念(1977年)
国立科学博物館100年記念(1977年)

東京・上野公園の国立科学博物館は、上野に文部省による東京博物館(教育博物館)の新施設が一部竣工した1877(明治10)年をもって創立年としている。もっともそのあと、上野から湯島に移され、さらに権限を縮小されて高等師範学校の付属施設に格下げとなり、やっと付属施設から独立したと思ったら、関東大震災で全施設・標本を失うという悲劇にも見舞われている。
ふたたび上野に戻ってきたのは1931(昭和6)年。この時、上野新館(現・日本館)が竣工し、昭和天皇・皇后臨席で開館式が挙行された。この11月2日をもって開館記念日としている。つまり、創立年と開館記念日との間に50年以上ものずれがあるのである。
切手の図案は日本館とフタバスズキリュウの復元骨格。1968(昭和43)年に、国内初の首長竜化石として発見された個体が、同博物館の顔になっていたことがよくわかる。

名古屋開府350年記念(1959年)
名古屋開府350年記念(1959年)
名古屋開府350年記念(1959年)

1609(慶長14)年、徳川家康が名古屋城築城を決定してから、350年になるのを記念して、1959(昭和34)年10月1日に発行されたもの。1889(明治22)年の名古屋市誕生以来、市制施行70年になるのを兼ね、名古屋市が切手の発行を申請していた。金鯱の背景には、この年の6月に竣工したばかりの名古屋テレビ塔も描かれ、いわゆる「名古屋」のイメージが今日のそれとあまり変わっていない(ような気がする)。
筆者はこの切手を十数年前、名古屋・栄地下街の金券ショップで発見した。シート単位になって額面の95%で売られていたのだ。当地をテーマにした古い記念切手がその地域の金券ショップに流れているというのも、その土地の歴史やらドラマやらを感じさせ、思わず購入してしまった。爾来、旅先で金券ショップを目にすると覗いてみたりするのだが、このインパクトを超える切手には、まだ出会ったことがない。

サザエ(1967年)
サザエ(第12次魚介シリーズ)
サザエ(第12次魚介シリーズ)

夏季の産卵期の直前あたりが旬。サザエといえば棘が印象的だが、よくみると単純な棘ではなく、管状の突起である。殻の中に海水を取り込む役目をもっているように思われるが、どういうわけか完成するとふさがってしまう。棘の有無は生息環境によるとも、遺伝的要因とも言われている。
写真の切手は1967(昭和42)年発行の第12次魚介シリーズのもの。この図案に対し、サザエの棘の生え方がおかしいとクレームがついたという。実際どんな生え方をしているのか、壺焼きかお造りでも食べながら観察してみたい。

第25回愛鳥週間(1971年)
第25回愛鳥週間(1971年)
第25回愛鳥週間(1971年)

毎年5月10日から1週間は、愛鳥週間(バードウィーク)と呼ばれる。1947(昭和22)年の「バードデー」に端を発し、1950(昭和25)年から現在のウィークリースタイルになった。この切手は第25回を記念して1971(昭和46)年5月10日に発行されたもので、シジュウカラの親子を描いている。
ところで先頃、日本郵便が切手デザイナーを募集して話題になった。日本でわずか7名のみという仕事のユニークさはデイリーポータルZの記事「切手デザイナーはクッキーを焼くのも仕事」に詳しい。切手というのは小さいながらも手紙のとして、人々の注目度も高い。この切手も、〈親鳥の右翼の羽の重なり方が逆〉で〈これでは飛べないと新聞に〉出たそうだ(『日本切手辞典』1976年)。デザインの能力に加え、原図作成のための観察力と注意力が問われる狭き門なのだろう。

切手趣味週間「彦根屛風」(1976年)
切手趣味週間「彦根屛風」
切手趣味週間「彦根屛風」

4月は切手趣味週間にあたるので、美術絵画を題材にした記念切手が発行されることが多い。1976(昭和51)年4月20日に発行された「彦根屛風」は、彦根藩主井伊家に伝わる国宝を元にその一部を図案化したもの。
彦根屏風は、2016(平成28)年に彦根城博物館の調査で、購入者が井伊家12代当主・直亮だったことがわかった。直亮は詳細な覚書を残しており、博物館がその覚書を修復して確認した。当初は「金千両」と提示されたが、交渉で値引きしたという。残念ながら購入金額について記された部分は損傷が激しく、結局いくらで購入したのか、完全には判読できなかったそうだ。