月刊コラムカテゴリーの記事

サザエ(1967年)
サザエ(第12次魚介シリーズ)
サザエ(第12次魚介シリーズ)

夏季の産卵期の直前あたりが旬。サザエといえば棘が印象的だが、よくみると単純な棘ではなく、管状の突起である。殻の中に海水を取り込む役目をもっているように思われるが、どういうわけか完成するとふさがってしまう。棘の有無は生息環境によるとも、遺伝的要因とも言われている。
写真の切手は1967(昭和42)年発行の第12次魚介シリーズのもの。この図案に対し、サザエの棘の生え方がおかしいとクレームがついたという。実際どんな生え方をしているのか、壺焼きかお造りでも食べながら観察してみたい。

第25回愛鳥週間(1971年)
第25回愛鳥週間(1971年)
第25回愛鳥週間(1971年)

毎年5月10日から1週間は、愛鳥週間(バードウィーク)と呼ばれる。1947(昭和22)年の「バードデー」に端を発し、1950(昭和25)年から現在のウィークリースタイルになった。この切手は第25回を記念して1971(昭和46)年5月10日に発行されたもので、シジュウカラの親子を描いている。
ところで先頃、日本郵便が切手デザイナーを募集して話題になった。日本でわずか7名のみという仕事のユニークさはデイリーポータルZの記事「切手デザイナーはクッキーを焼くのも仕事」に詳しい。切手というのは小さいながらも手紙のとして、人々の注目度も高い。この切手も、〈親鳥の右翼の羽の重なり方が逆〉で〈これでは飛べないと新聞に〉出たそうだ(『日本切手辞典』1976年)。デザインの能力に加え、原図作成のための観察力と注意力が問われる狭き門なのだろう。

切手趣味週間「彦根屛風」(1976年)
切手趣味週間「彦根屛風」
切手趣味週間「彦根屛風」

4月は切手趣味週間にあたるので、美術絵画を題材にした記念切手が発行されることが多い。1976(昭和51)年4月20日に発行された「彦根屛風」は、彦根藩主井伊家に伝わる国宝を元にその一部を図案化したもの。
彦根屏風は、2016(平成28)年に彦根城博物館の調査で、購入者が井伊家12代当主・直亮だったことがわかった。直亮は詳細な覚書を残しており、博物館がその覚書を修復して確認した。当初は「金千両」と提示されたが、交渉で値引きしたという。残念ながら購入金額について記された部分は損傷が激しく、結局いくらで購入したのか、完全には判読できなかったそうだ。

富士山頂気象レーダー完成記念(1965年)
富士山頂気象レーダー完成記念(1965年)
富士山頂気象レーダー完成記念(1965年)

運用を開始した同年3月10日に発行。日本で一番高い富士山頂にレーダーを造り、南方から接近してくる台風を、早期に発見しようという使命を帯びて着工されたもので、ヘリコプターでドームを運び上げ、基地にかぶせるという難事業を経て完成をみた。
北は札幌、西は九州のざっと半分、南は小笠原諸島まで観測でき、しかも東京の気象庁から遠隔操作ができるという画期的なレーダーで、切手を発行して祝いたくなったのも当然だろう。事実、このレーダーが台風などの防災に果たした役割は大きい。
その後、気象衛星の登場などによって1999(平成11)年に役割を終え、現在では麓の山梨県富士吉田市で「富士山レーダードーム館」として余生を送っている。

薬師寺東塔(1976年)
薬師寺東塔(1976年)
薬師寺東塔(1976年)

第2次国宝シリーズの第1集として、1976(昭和51)年12月9日に発行。東塔は薬師寺(奈良市)に建つ三重塔で、各層に裳階(もこし)と呼ばれる差し掛けの屋根が取り付き、一見六重塔のようにも見えるユニークな外観をしている。2009(平成21)年より解体修理が進められており、その過程で、部材の一部が8世紀前半の伐採と判明したり、基壇の下から地鎮のために用いたと見られる和同開珎が見つかるなどの調査成果が出ている。落慶法要は2020年4月の予定。