[今日は何の日]劣化の日

高松塚古墳壁画

高松塚古墳の壁画は、発見当時、鮮やかな彩色が人々を驚かせた

2004(平成16)年のこの日、ショッキングなニュースが流れた。奈良県明日香村にある高松塚古墳の壁画が劣化しているというのだ。
石室に描かれた国宝壁画のうち、西壁の「白虎」が1972(昭和47)年の発見当時の状態から著しく劣化し、消えかかっている部分もある。さらに、東壁の「青竜」は、顔などの輪郭がぼやけて、薄茶色の汚れに覆われているように見えると報道された。

古墳は7世紀末から8世紀初めに造られたと見られ、玄武・青龍・白虎と男女の群像が描かれた壁画は戦後最大の考古学的発見といわれている、いわばお宝画像。この画像が劣化してしまったというのだから、ただごとではない。
結局、壁画と石室は古墳から取り出され、修理することとなった。2020年3月までの予定で壁画の修理作業が続いている(2018年現在)。

「これはひどい!」とか「これだから役人は!」と、自分の心の中にある日々の鬱屈とないまぜにして、痰のように吐き捨てて、くさして終わるのも人それぞれだが、せっかくだから身の回りで劣化しているものがないかどうか、注意・点検する日にしてはどうだろうか?

例えば、普段使っていない懐中電灯とか子どものおもちゃとかの乾電池は液漏れしていないだろうか? 洋服ダンスの奥の衣装ケースの防虫剤が切れて、虫が食っていたりしないだろうか? 防災グッズの中の缶詰は賞味期限が切れたりしていないだろうか? 机の引き出しの奥に固まったままの接着剤とかベタベタになった粘着テープとかが転がっていないだろうか? 保存用書類のホチキスがいつの間にか錆びてぼろぼろになっていたりしないだろうか? ため込んでいた割り箸にカビがはえていないだろうか? 巻いたまま放り込んである去年のすだれにカビがしてないだろうか? 野菜室の奥に、芽が出て手が付けられなくなったジャガイモやタマネギはないだろうか? そのプリンタの替えインク、ちゃんと天地正しく置いてある? ポイントカード、有効期限6月末までじゃない? 製氷皿、前にちゃんと洗ったのいつ? 子どもの頃の家族旅行の銀塩フィルム、かびてない? 部屋の隅に設置したまま忘れてたゴキブリホイホイはない?(うっ…)

——という具合に劣化したり、手入れが行き届かなかったりというものは、意外と思いつく。そんなわけで、飛鳥時代の極彩色の壁画を教訓に、手遅れにならないようにしたいものである。