アクアマリンふくしま「復興ブログ」が終了へ

アクアマリンふくしま

 東北地方太平洋沖地震発生後の2011年3月31日、通常の公式HPの更新が困難になったためにYahoo!ブログを利用して開始された「アクアマリンふくしまの復興日記」が、2012年7月23日の記事をもってブログの終了を宣言した。同ブログは7月31日に非公開設定にするという。

 尋常でないのはそのブログにおいて、アクアマリンふくしまのスタッフがブログの記事に対する圧力がかかってきており、特に今、私が取り組んでいる福島県を取り巻く原発問題について、今後、情報発信する際にこのような圧力がかかる可能性があるのであれば、現在の職を続けていくことは私には無理であるとして、「退職願」を提出することも宣言している点だ。

 担当者は職を賭して伝えなくてはいけないこともありますとして、例えばとして、いわき湯本温泉で行われている「ふくしま復興ホタルプロジェクト」に疑問を呈している。
 放流されるホタルは、福島県大熊町の熊川水系のDNAを持つゲンジホタルだが、放流地点5キロ圏内に最低3カ所以上のホタル生息地があるとして、他の水系のホタルを放つことを問題視している。
 同時に、「ホタルは0.5μSv/hの放射線を浴びると光らなくなる」と主催者は主張している点についても、3μSv/hの土地でホタルが光っていることを確認しており、科学的な根拠がないと指摘している。

 他の水系のホタルを放つというのは、20〜30年前だったら問題視されなかったケースかもしれない。だが、現在ではブログの担当者が主張するように「周辺の河川にいる土着のホタルへの影響」も科学的に配慮される当然の事項と思う。
 イベント主催者側も、そのサイトに「浜通りのホタルのDNA(を持つホタルを放つ)」という言葉もあり、そのような点に関して、まったく無思慮というわけではなさそうだ。

 ブログ担当者は「他水系のホタルの放流」という件について、科学的言説で問題提起をしている。イベント主催者側はこれについてきちんとその見解を答えるべきと思われる。

 大熊町は福島第一原子力発電所の事故で「警戒区域」に指定されている。放流されたゲンジホタルは「1989年に大熊町で採取され、人工飼育を繰り返したもの」(「ふくしま復興ホタルプロジェクト」サイト掲載の読売新聞の記事より)だという。

 「いつかは熊川にホタルを返したい」というのが目的であれば、閉鎖施設で育てるという選択肢もあろう。また、いわき湯本温泉にホタルを飛ばしたいというのであれば、近隣水系のホタルを放流するというのも考えられる。

 当たり前のことであるが、この件については地元の当事者同士の対話なくしては解決しない問題だ。今後、当事者相互の対話が立て直されていくかどうか、一観光客として注目していきたい。