9月末で休館するお台場のランドマーク[船の科学館]

船の科学館

★2011年9月30日をもって休館

 東京・お台場の「船の科学館」が2011年9月30日で休館となる。
 「船の科学館」は「本館」「南極観測船・宗谷」「青函連絡船・羊蹄丸」の3施設からなっているが、このうち、本館と青函連絡船を閉鎖。今後は宗谷を中心とした小規模なものになる予定で、とくに青函連絡船は引受先が見つからなければ、解体するとのこと。

船の科学館

 本館内の展示は船舶模型が中心。「船のあゆみ」「船がはこぶ」「和船コーナー」など、船舶史のなかでエポックメイキングとなった船が精巧な模型で展示されている。ただし、これは仕方ないことなのかもしれないが、模型により縮尺がまちまちなので、タンカーや豪華客船などはその規模の把握が難しい。

船の科学館

 意外なおもしろみがあったのは地下1階の「海をひらく」と題した海洋開発のコーナー。
 訓練されたイルカが魚を網に追い込むという海中牧場や海底トンネル、海上都市、海上空港、洋上原子力発電プラントなど、「船の科学館」が開館した当時の未来観を色濃くうかがわせる内容となっている。

船の科学館

 海底トンネルや海上空港など、すでに実現できているものもある。現在の我々から見て、何が当たって何が外れたのかを考えながらまわってみるのもおもしろい。
 潜水艇が海中に潜って網を引く漁法なども描かれているが、今日では潜水艇などに頼らずとも、トロール船で根こそぎ獲ってきてしまうことができるわけで、これなど漁法の発達が未来予測を追い越してしまった例だろうか。

船の科学館

 漁業と言えば、「船と魚」のコーナーが、魚のポスターと船の模型数点を並べただけのあまりにもおざなりの展示なのが悲しい。
 歴史的な漁船の変遷や遠洋漁業を可能にした大型船の登場など、資源管理の問題も含め、いくらでも啓発できることはあるだろうに、隣接している「海の安全」や「海をまもる」のコーナーの旧日本海軍のおびただしい船舶模型群の気合いの入れようとだいぶん異なる。この温度差の激しさは、ちょっと個人記念館のようである。

船の科学館

 あと、全体に模型の展示場と化していて(船舶模型好きにはたまらないだろうが)、文化的民俗的側面が手薄なのは否めない。

 今後、船の科学館がどのような展示形態に移行していくのか、まだ検討中のようであるが、このあたりが同館の課題のように思われる。

船の科学館
住所 東京都品川区東八潮3-1
TEL 03-5500-1111
開館 10:00〜17:00(月曜休館。祝日の場合は火曜休館)
入館料 200円(船の科学館・宗谷・青函連絡船羊蹄丸共通/2011年9月30日まで)
交通 ゆりかもめ・船の科学館駅より徒歩2分
ワンポイント 「船の科学館」本館は2011年9月30日をもって休館。近接する「青函連絡船・羊蹄丸」は保存・展示を終了する。