絶滅種のクニマス、生存を確認

クニマス

 戦前に絶滅したとされていたクニマスが山梨県の西湖で生存していたことが、中坊徹次京都大学教授とタレントのさかなクンらによって確認された(朝日新聞記事)。
 クニマスは秋田県の田沢湖でしか生息していなかった固有種の淡水魚。江戸時代から漁獲の対象とされ、白身の高級魚として「クニマス一匹、米一升」と呼ばれて、重宝されていた。

クニマス_田沢湖

 1935(昭和10)年には約8万8000匹の水揚げがあったが、1940(昭和15)年に造られた水力発電所の水量確保のために、周辺の強酸性の河川を湖に引いたため、田沢湖の魚が全滅。クニマスもこれにともなって絶滅したとされていた。
 しかし、この前後に受精卵が各地の湖に運ばれて放流されたとの記録があったため、1996(平成8)年になって、田沢湖町観光協会が賞金100万円をかけての「クニマス捜し」が行われたが、この時は発見に至らなかった。
 今回、中坊教授とさかなクンが確認したのは、戦前に田沢湖から西湖へ運ばれた10万粒の受精卵の子孫と思われる。国のレッドリストで絶滅種の復活は、魚では初となる。

 写真は琵琶湖博物館(上)および田沢湖郷土史料館(下)の標本。いずれも退色してしまって、生存時のイメージからはほど遠い。今回のそもそものきっかけは、中坊教授からクニマスの絵を依頼されたさかなクンが、標本では細部がよくわからないから、と、近縁種のヒメマスを取り寄せているうちに発見したものだという。