洋上に浮かぶ1970年代[足摺海底館]

足摺海底館

焼け付くような陽射しと真っ青な黒潮に囲まれた洋上に、見るからに70年代チックな建物が建っている。これが、海中展望塔・足摺海底館だ。

大阪万博や沖縄海洋博のパビリオンを彷彿とさせるこの建物は、1971(昭和46)年12月竣工。


足摺海底館

同館によれば、現在日本に海中展望塔は7塔あるが、1969(昭和44)年の白浜海中展望塔(和歌山県)を皮切りに、このうちの5つが1974(昭和49)年までに竣工している。
当時、海中展望塔がいかにブームだったかがわかる。

足摺海底館

館内にはオープン時の写真が飾ってあるが、橋の上はもちろん、陸の海岸まで来館者が長蛇の列をなしており、人気のほどがうかがえよう。

螺旋階段を下りていくと、水深7mの海中展望室にたどりつく。ソファなどはなく、パイプイスが置いてあるだけの至ってシンプルな空間だが、直径60cm、厚さ45mmの強化ガラスを2枚重ねた展望窓が計16個、海中に向かって開いている。

足摺海底館

のぞいてみると、波にあわせて、右に左にと魚がもまれている。今日はそんなに海は荒れていないみたいだが、大きな魚はともかく、全長10数cmの魚にとっては、結構なもまれようだ。最近は水族館でも水の流れを起こして、波や水流を再現する水槽が増えてきたが、実際の海中の波はその比ではない。

足摺海底館

撒き餌の食べ過ぎなのか、あるいは産卵期で卵でもかかえているのか、ものすごくメタボなベラが「ふうふう」言いながら(←と言っているように見えた)波にもまれてガラスを横切っていった。

足摺海底館

展望塔から出て、竜串海岸を散策する。このあたりの海岸は、第三紀層の砂岩が浸食を受けて奇妙な石柱のようになっている。それらに「千のこしかけ」「大竹・小竹」などと名前がついており、鍾乳洞でも見物するような気分だ。海岸の脇にはレストハウスがあり、地魚を使った料理メニューが並んでいた。

足摺海底館

海中展望塔は、ちょっと波が荒れている時に来た方がおもしろい(あまり荒れすぎていると魚がいないが…)。こんな岩をも変形させる波にもまれて、身の締まった旨い魚介類が育まれているのだ。

足摺海底館
住所 高知県土佐清水市三崎4124-1
開館 9:00〜17:00(4〜8月は8:30〜)
入館料 大人900円、4歳〜高校生450円
交通 土佐くろしお鉄道中村駅より足摺岬行きバスで「清水プラザパル」乗り換え、「竜串海底館」下車。1時間30分
開館年 1971(昭和46)年12月竣工。1972(昭和47)年1月1日開館
ワンポイント 足摺岬から竜串へ向かう場合は、バス便が少ないのでタクシー利用が無難。