[感想後記]東京海洋大学「海鷹祭」

東京海洋大学海鷹祭

 マグロの解体ショーが名物というユニークな学園祭、東京海洋大学・品川キャンパスの海鷹祭が、2010年の今年も10月29〜31日に開催された。
 旧校名が東京水産大学(東京商船大学と合併して現校名)というだけあって、水産系に強い同大学では、学園祭も個性的だ。

東京海洋大学海鷹祭

 居並ぶ模擬店は、一番人気のマグロの漬け丼を始め、カニ汁、クジラ汁、鮭イクラ丼、海鮮カレー、ホタテの浜焼き、クジラ竜田揚げなどなど。
 漬け丼はビールを買うのも忘れて平らげてしまった(※注:同学園祭は翌2011年より禁酒となった)。竜田揚げは独特の匂いがあって、ちょっと懐かしい味が舌に広がった。

東京海洋大学海鷹祭

 ズワイガニや新巻鮭、干物その他海産物の即売も行われている。学生がサワラやサバの切り身を売り歩いている光景は、他大学ではまず見ることができないだろう。

 誘われるままに、ホタルイカの沖漬けを買ってみた。OBが勤めている会社なのだそうだ。どういうルートか知らないが、野菜やカブトムシ、ベタ(熱帯魚)、グッピーなども売っている。この大学のOBのネットワークは、凡夫には推し量れないものがある。

東京海洋大学海鷹祭 東京海洋大学海鷹祭

 食べ物以外の催しとして、今年の呼び物はペンギンだ。現在、改修工事中のサンシャイン水族館から連れてきた6羽のケープペンギンが、手の届きそうなくらいの至近距離で愛嬌をふりまく。

東京海洋大学海鷹祭

 その奥のプールは、学園祭の期間中、特設の「釣り堀」になっている。プールにニジマスを放してしまうというのは、かなり大胆だ。

 学内の水産資料館では、学園祭期間中、博物館実習中の学生による解説がある。実習船に乗った時の話なども聞けておもしろい。「水産報国」という扁額や、今はもう、標本として持って来られないであろうガラパゴス諸島のイグアナなどが並び、同大学の歴史の深さを感じさせてくれる。

東京海洋大学海鷹祭

 講義棟や会館などで行われている、学生の研究発表も見応えがある。
 水産生物研究会の水槽展示は、ミニ水族館並みの本格的なもの。館山の海から採集してきたという死滅回遊魚(夏に黒潮に乗って日本近海に流れ着くチョウチョウウオなどの熱帯海水魚の一群。冬を越せずに死んでしまう)は、季節的にタイムリーな展示。
 ウミヘビやタカラガイの生態展示まであった(写真)。タカラガイは、生きている時は外套膜に覆われて、ウミウシのような姿をしている。

東京海洋大学海鷹祭

 潜水部の研究発表では、サンゴの産卵シーンを動画で見せてくれた。模造紙に書かれた展示も、現場を踏んでいるだけあって、しっかりした解説文だ。そして、水中写真が上手い。
 あと、どこの団体か失念してしまったが(失礼!)、プランクトンを顕微鏡で観察させてもらった。ウチワエビの養殖のために、幼体に食べさせるプランクトンを研究しているという趣旨の説明もあった。

東京海洋大学海鷹祭

 まさに「学問の秋」と「食欲の秋」との両方を満喫させてくれる学園祭だが、じつは筆者が気になっている学園祭がもうひとつある。東京農業大学の学園祭収穫祭だ。
 東京海洋大学が「海の覇者」なら、差し詰め「陸の王者」は東京農業大学か。来年はこの2つを梯子して、海と陸の両方の食欲と知識欲を満喫してみたい。