小田急江ノ島線

片瀬江ノ島駅

 神奈川県の沖積平野を突っ切って江の島へ向かうこの路線は、当たり前のことながら、海の気分があまりしない。鵠沼海岸駅のところで乗り降りする客からわずかに潮の匂いがする程度だ。だがそのかわり、終点の片瀬江ノ島駅は、竜宮城のようにデコレートして、海水浴の気分をもり立ててくれる。
 観光地にありがちな近年の築と思われがちだが、江ノ島線開業当時の1929(昭和4)年以来の駅舎だという。もう築80年にはなっているだろう。これぐらいの歳月を経れば、どんな奇抜な建物でも風景の一部として周囲に溶け込むはずだが、この老駅舎はまだまだとんがっているようだった。
 この時期、駅構内には小さな水槽が並べられ、ミニ水族館が開館することもある。