娘を料亭へ売り飛ばす

手塩にかけて育てた娘を、家計のため、泣く泣く業者の手に渡し、業者は娘を料亭へと売り飛ばす……時代劇でおなじみの光景だが、決して昔話ではない。

「うみたまご」の愛称で知られる水族館・大分マリーンパレスでは、2005年12月から、ヒラメの稚魚の出荷を始めた。

同館で、卵の時から大事に育てた稚魚ではあるが、これを養殖業者へ販売し、本業の水族館事業の「家計の足し」とする狙いだ。養殖業者はヒラメが年頃になったころを見計らって市場へ卸し、料亭などへと流通させる。

同館では、水族館ならではのノウハウを活かして1978年からシマアジの稚魚を養殖業者向けに出荷してきたが、今後は、ヒラメ、スズキ、トラフグ、イシダイなどへと拡大する。いずれも稚魚育成の餌や水温など、水族館ならではの研究とノウハウが活かされたもので、2006年6月期には前期比約2倍の売上高を目指し、種苗事業の強化を図る。

こうして水族館で育てられたヒラメたちに、貴方も料亭で出会う日が来るかも知れない。お造りとなって……。