駅近で楽しむ鍾乳洞[井倉洞]

井倉洞

 山陰と山陽を結ぶ大動脈として、特急列車が頻繁に往復するJR伯備線。このまままっすぐ目的地に向かってもいいが、どこかで途中下車して旅にアクセントをつけたい——そんな時におすすめなのが、この井倉洞だ。
 なにせ、駅から歩いてほんの15分で、鍾乳洞も滝も楽しめる。

井倉の滝 井倉洞入口

 JR伯備線を井倉駅で降り、駅前の道を備中高梁・岡山方面に向かって歩く。案内板に従って高梁川沿いの道へ出ると、ほどなく川へ向かって流れ落ちる一筋の白い滝が見える。これが井倉の滝。この滝を横に見て、鍾乳洞へ入る。

井倉洞内部

 洞内には、銀すだれ、水晶殿、瀬戸の海などと名付けられた鍾乳石が続く。
 ご存じのように、鍾乳洞は地下水の流れによって造られる。鍾乳洞の中にはすっかり洞内が乾ききってしまって、言ってみればもう枯れてしまった洞も多いのだが、ここは洞内各所から水が滴り、濡れ溢れ、鍾乳洞として活動中であることを示している。

井倉洞内部

 それがために、足元がぬれやすい。観光鍾乳洞とはいえ、サンダルやパンプスではなく、足元はしっかりした格好で来たい。
 また壁に手をついたりすると手がぬれる。洞内狭まっている所もあり、油断していると背中もぬれる。
 だが、これも鍾乳洞とのコミュニケーションの一環だと思いたい。

井倉の滝

 高さが低く、ちょっとかがまないと通れないような所もある。ザックなどを背負って行くと、誰もいないのにときどき後ろから引っ張られる。
 もちろん天井に引っかかるからなのだが、なにか鍾乳洞から呼び止められたような気にもなるのである。
 洞内から出てくると、すぐわきを、飛沫がかからんばかりに井倉の滝が流れ落ちている。さっき下から眺めていたのが、中腹ぐらいまで登ってきたことになる。
 洞内は全長1200m、高低差も90mと割と起伏が激しく、いい運動になる。

高梁川

 この井倉の一帯は、阿哲台と呼ばれるカルスト台地で、石灰の宝庫である。目の前を流れる高梁川はそれがためにカルシウムを多く含んでおり、ここで獲れる鮎は「格別においしいんです」と、隣町・高梁市の観光協会は力説する。
 井倉洞の入口周辺には、レストハウスが軒を連ねる。串に刺さった鮎の塩焼きが客待ち顔で並んでいた。

井倉洞
住所 岡山県新見市井倉409
TEL 0867-75-2224
営業 8:30〜17:00(年中無休)
入洞料 大人1000円、中学生800円、小人500円
交通 JR伯備線井倉駅より徒歩15分
開洞 1959年
ワンポイント 車利用の場合、井倉洞の無料駐車場が利用できる。また、15km北東には観光鍾乳洞の満奇洞があるが、アクセスを考えると車向け。