伊達政宗公、依然失踪中!
仙台を訪れる観光客や仙台市民の待ち合わせ場所として親しまれてきた、仙台駅コンコースの伊達政宗像が失踪してから、はや1年が経とうとしている。
宮城県大崎市にある政宗ゆかりの地の再整備計画に絡んで、現地に建てるため持ち去ったそうだが、困ったのは仙台駅の利用者である。同駅にはほかにこれといった待ち合わせの目印がないので、未だに「政宗像の跡で○時に」といった符牒がまかり通っているという。
もし、政宗公にかわる後継候補が決まらないのであれば、いっそ、山形県のあの方の騎馬像でも借り受けてきてはどうだろうか。
そう、山形・霞城公園にたたずむ最上義光像である。
政宗の伯父にもかかわらず、常に政宗に対して隙あらば
という姿勢をとっていたことで知られているが、逆に言えば、年々増強し膨張政策をとる甥に対し、よく自国の領土を守ったといえるかもしれない。
この義光像を、期間限定でもよいから借り受けてきて、政宗像跡地に展示するのである。きっと、泉下の義光公、「いっぺんやってみたかった」と感涙にむせび、仙台市民に感謝するに違いない。