深海にただよう火の玉?[ザラビクニン]

ザラビクニン@登別マリンパークニクス

 表層では暖流の影響を受けている日本海だが、海底では四季を通じて水温が0〜2度という「日本海固有水(日本海固有冷水)」と呼ばれる冷水域がある。

 冷水域には、ホッコクアカエビやベニズワイガニなどがおり、日本海がエビやカニの産地として有名なのはこの冷水魂のおかげといってもいいのだが、なかにはこのザラビクニンのような不思議なかっこうの魚も。

 ビクニ(比丘尼)とは尼僧のことで、尼僧が頭巾をかぶっている姿に似ているからこの名がついた。では、ザラは何かというと、触るとザラザラしたコンニャクのような感触がある(魚津水族館「おさかな図鑑」より)とのことなので、そこから来たのであろうか。

 ゆらゆらと泳いでいるので遊泳力はないのであろう、富山県の海洋深層水取水口に343匹も挟まっていたという記録がある。

 それにしても、す〜っと漂うように目の前を横切っていかれると、まるで墓場に出るプラズマのようだ。
 最近は水族館での「お泊まりツアー」も人気だが、こんな水槽の前に割り当てられた日には、子どもにとってトラウマになるかも知れない!?

サケビクニン@青森県営浅虫水族館

 よく似た仲間にサケビクニンというのがいる(右写真)。体表が薄いサーモンピンクをしているところからその名がついたのだろうか。
 ぱっと見ただけでは、ザラビクニンとまったく区別が付かないが分布域が異なるという。こちらは日本海、オホーツク海に加え、茨城県以北の太平洋にも分布する。体長もザラビクニンよりやや大きい。

 

ザラビクニン(Careproctus trachysoma)
分類 カサゴ目クサウオ科
体長 約25cm
生息地 日本海、オホーツク海の水深300m以深
見学スポット 登別マリンパークニクス(北海道登別市)、マリンピア日本海(新潟県新潟市)、魚津水族館(富山県魚津市)ほか