いよいよ大ブレイク目前か?[関ヶ原ウォーランド]

関ヶ原ウォーランド

 東海道本線も岐阜を過ぎ、だんだん山里らしくなってきたなと感じる頃、列車は関ヶ原駅に着く。
 武将の極彩色した実物大のコンクリート像を配置して関ヶ原の合戦を史実にもとずいて再現した(同館パンフより)という関ヶ原ウォーランドは、ここから歩いて20分の所にある。
 道を歩いていると、観光バスが続々とウォーランドの方に向かっていく。それも1台や2台ではない、ひっきりなしである。関ヶ原の合戦とはそんなにも人々を引きつけるものであったか?

関ヶ原ウォーランド

——と動揺したが、ウォーランドに隣接して食堂兼物産館があり、そのために観光バスが立ち寄っていたのだった。
 そして、観光バスのおじちゃんおばちゃんは、ウォーランド前の「関ヶ原古戦場跡」という看板の前で集合写真を撮り、食堂へと消えていく。しかし、そのうちの何割かは確実にウォーランドへと立ち寄り、実物大の武者人形のコンクリ像が陣を構え格闘しているさまを見物してまわるのであった。

関ヶ原ウォーランド

 それでは我々もおじちゃんおばちゃんたちに混じって、入場料600円也を払ってランドの中に足を踏み入れてみよう。
♪粛々として〜大軍夜に乗じゆく〜
…といずこからともなく浪曲のような演歌のような唄が聴こえてくるが、これがこのウォーランドを彩るテーマソング「あゝ決戦の関ヶ原」である。
 この唄、延々とリフレインしている。散策が終わった頃にはすっかり耳についてしまって、♪あ〜決戦の関ヶ原〜などと口ずさんでしまうのは、作曲が、千昌夫の「北国の春」や渥美二郎の「夢追い酒」などを作った、あの遠藤実先生であるが故か。

関ヶ原ウォーランド

 正面の松林ではそこここで、血を血で洗う凄惨な戦いが繰り広げられている最中である。
 いざ出陣せんとする者、組み討ちしてまさに首を刎ねられんとする者、落馬して転がる者、いましも参戦せんとする者、そして勝敗決し割腹せんとする者などなど。
 そのような凄惨な現場のなかで、なぜか武田信玄が「ノーモア関ヶ原合戦じゃ!」と呼びかけているのもほほえましい。

関ヶ原ウォーランド 武田信玄@関ヶ原ウォーランド 関ヶ原ウォーランド

 この戦場を前に、お気に入りの武将と記念撮影するのも良いし、もう一歩進んで、子どもがよく買うような刀のおもちゃを持参して構えれば、憧れの武将とセッションできるわけで、戦国ファンにはたまらない場所であろう。

関ヶ原ウォーランド

 さて、松林のなかで死闘を繰り広げる武将たちのまわりは、石田三成や小早川秀秋などの各陣地が形成されていて、コンクリ像が真剣な顔つきで戦況を見つめている。
 三成の陣の脇に祠が建てられているのは、やはり敗戦の将を思いはかってのことか。
 数十メートル離れた所にある大谷吉継(大谷刑部)の陣では、今や時勢決したりと切腹の最中だ。

徳川家康&湯浅五助@関ヶ原ウォーランド

 徳川家康の陣では、家康が首実検をしている。その首の上に賽銭が置いてあるところが、いかにも日本的である。

 敷地内には、このほかに資料館が2館建っている。ひとつは櫓門を模した正門入口の2階部分にある武具甲冑資料館。薄暗い室内に鎧兜が並んでいる。
 ボロボロに錆びた兜への「(関ヶ原の)首塚から出た兜。冥福を祈る。」という説明書きからは、書き手の合戦への想いが伺えようか。

関ヶ原合戦資料館@関ヶ原ウォーランド

 もう1館は関ヶ原合戦資料館と称され、地図を前に合戦の状況や顛末がスピーカーから流れる。但し、300円を入れれば。しかも25分も(!)かけて説明してくれる。
 この時代の「軍」の組織を、なぜか現在の自衛隊と比較したコーナーがあり、そういえば昔「戦国自衛隊」なんて映画があったなぁなどということをふと思い出させてくれる。

関ヶ原ウォーランド

 敷地内では現在、人形の塗り直しなどが頻繁に行われており、ところどころペンキ塗り立ての札が立つ。2000年の大河ドラマは徳川家康(「葵〜徳川三代〜」)なので、それに向けてのリニューアルであろうか。(訪問時は1999年11月)

 加えて2000年は関ヶ原合戦から400年記念。関ヶ原町によって作られた「戦国関ヶ原新聞」には、関ヶ原合戦参戦の子孫を捜していますというお知らせが載っている。
 来たる西暦2000年とは、ウォーランドのみならず関ヶ原町全体にとって、まさに、またとない追い風の年なのである。

関ヶ原ウォーランド

 しかも、ここウォーランドは観光バスが続々と乗りつけて食事に来るという、構造的な集客の立地にある。もしかするとこのウォーランド、来年の今ごろあたりは、知らない人はいないというぐらい大ブレイクするかも知れない。我々はメジャーデビューを目前に控えたインディーズのライブに来たようなものであろうか。
「俺はインディーズの頃から知ってたゼ」と自慢したい人は今しかない、急げ!

関ヶ原ウォーランド
住所 岐阜県不破郡関ヶ原町池寺1701-6
TEL 0584-43-0302
開館 10:00〜17:00(冬期短縮。12/30〜1/2は休館)
入館料 700円(取材時は600円)
交通 JR東海道本線関ヶ原駅より徒歩20分
備考 1999年11月訪問時の記事です。