貴方も体験、三陸大津波[津波体験館]

唐桑半島

 唐桑半島は、巨釜半造などの景勝地をかかえた風光明媚な観光地で、気仙沼駅からバスを利用する。バスは、深く切れ込んだ海岸線に沿って、右に左に大きくカーブを切りながら進んでいく。このリアス式海岸特有の地形によって三陸一帯は何度も津波の被害を受けてきた。

 そのため、ここ陸中海岸の南に位置する唐桑半島のビジターセンターには日本で唯一というふれこみの「津波体験館」が併設されている。

 館内には、半島の地形や自然についての案内とともに、津波の起こる仕組みを説明した水槽や、日本各地に襲来した津波の写真や絵などが展示。

 「津波の歴史」のコーナーでは、1886(明治29)年の明治三陸大津波や、1933(昭和8)年の昭和三陸大津波についてのさまざまなエピソードがパネルになっている。なかには、剣を手に握ったまま殉職した巡査の話や、風呂桶に入ったまま流されたというエピソードもある。レーザーディスクライブラリーでは日本海中部地震の記録映像が見られる。

 

 津波とはやっかいな災害で、最初の波よりもあとからくる波の方が増幅されて高くなったり、また、体感的に弱い地震であっても数メートルのものがやってきたりもするという。そのことを実感させてくれるのが目玉の津波体験だ。

 まずは全員水着に着替えたあと、救命胴衣をつけて……というのは嘘で、映像、音響、振動、送風を組み合わせて、大津波の再現をするというもの。

 津波の発生プロセスなどを解説をした後、再現映像が流れる。
 なるほど最初は、座席が少ししか揺れない。ほんの震度2か3ぐらいの地震である。再現映像の母親は、そのまま安心して、子供を寝かしつけようとするのだが、そこに突然、どーんと雨戸を突き破って、波が押し寄せてくる。

 遠くからゴーッと特撮映像のように波が押し寄せてくるシーンを見せるのではなく、いきなり雨戸を破って家の中に波が乱入してくるところがかえって怖い。津波の被災者が体験したリアリティだろう。
 飛沫に合わせて前方からは風が吹きつけ、座席は大きく揺れ出す。最後は3面をフルに使っての大津波襲来の映像だ。

 正味12分。最近のアミューズメントパークにある体感遊具に遊び慣れていると、身体的には物足りないかも知れないが、でもこれは娯楽ではない。
 この程度の小さな揺れでも、どーんと津波はやってくるということだけは、教訓として覚えておいたほうがいいかも知れない。

唐桑半島ビジターセンター・津波体験館
住所 宮城県気仙沼市唐桑町崎浜4-3
TEL 0226-32-3029
開館 8:30〜16:30/火曜日、祝日の翌日休館(土・日曜日にあたる時は開館)
入館料 一般370円(ビジターセンターは無料)
交通 JR気仙沼線気仙沼駅よりバス45分