奈良時代の疫病退散! 平城宮跡資料館で企画展示

平城宮跡資料館

写真は平城宮跡資料館の常設展示。出土資料のほか、奈良時代の暮らしや文化にまつわる展示も

平城宮跡資料館(奈良市二条町)では、古代の人々の疫病対策について取り上げる企画展示「古代のいのり—疫病退散!」を開催している。会期は、2020年6月16日~7月19日の予定。

現在、新型コロナウイルス感染症をめぐって予断を許さない情況が続いているが、奈良時代にも天然痘とみられる疫病が九州(大宰府管内)で起こり、一度は収束したものの、再び流行して畿内に達し、平城京にも災禍をもたらした。

この疫病の流行について、奈良文化財研究所・なぶんけんブログ「古代都市平城京の疫病対策」は、奈良時代は〈平城京の繁栄と唐・新羅・渤海など諸外国との活発な交流の時代〉であり、〈都市の人口増加と活発な海外交流は、疫病が大流行する背景として、現代社会に通じるものがあ〉ると指摘する。

平城宮跡資料館

土器に顔を描くまじないもあった。自分の顔を描いたとも、疫神の姿を描いたとも言われている。平城宮跡資料館の常設展示より

展示では、この疫病に対してまじないとして用いられた人形(ひとがた)や土馬、呪符木簡などを取り上げるほか、最新の成果などもパネルで紹介する。
医学が発達した現代と違い、古代の人々は「まじない」という神頼みにすがるしかなかったのかと思いきや、さにあらず。汚染された食器をまとめて処分したとみられる痕跡や、感染防止のため、それまでの大皿食器ではなく小型食器を使う風習が定着した可能性が示唆される出土品などもあるという。

千数百年を経てなお、現在と共通する行動をそこに見いだすことができるだろう。

なお、平城宮跡資料館では、見学に際し、マスクの着用や入館時の検温など、感染症予防への協力を呼びかけている。

平城宮跡資料館

まじないに用いられた人形(ひとがた)の展示。馬などをかたどったものもあった。平城宮跡資料館の常設展示より