ギョベクリテペ遺跡の講演会、古代オリエント博物館で

世界最古の神殿と言われるトルコのギョベクリテペ遺跡に関する講演会が、2019年12月1日、古代オリエント博物館(東京・池袋)で開催される。
特別講演会「世界最古の神殿——トルコ、ギョベクリテペ遺跡とその周辺」と題し、トルコの考古学者が登壇。定員170名で事前申込不要、先着順受付。

ギョベクリテペは「太鼓腹の丘」の意で、トルコ南東部にある丘陵。ここから前9000年前後という、新石器時代最古の大規模建造物が発見された。遺跡は動物などが刻まれた高さ3〜5mの石柱が円形に林立することから、世界最古の神殿とも呼ばれている。

かつて「宗教は農耕から生じた」とする説が主流だった。農耕に必要とされる大規模な灌漑や集落の造営には、強いリーダーシップが必要であり、権力者が自らを神格化していく過程で宗教が発生したというものだ。ところが、この遺跡は農耕に先立つ時期で、狩猟採集民によって造られたとみられる。

高度な技術と複雑な精神性をうかがわせる神殿が、狩猟採集民によって築かれていたことは多くの研究者に大きな衝撃を与えた。
しかも、普通は1つの遺跡で数種類しか出土しない鏃がここからは何種類も出てくることから、各部族が巡礼あるいは集会をしたのではないかとも考えられている。

農耕発祥の地であり、高度な文明を世界の他地域に先駆けて発生させた西アジアに、農耕に先立ってこのような遺跡があるのは、文明史や人類史の視点から見るとなかなか刺激的である。