恐竜化石産出地で発掘体験![野外恐竜博物館]

JR福井駅前

恐竜王国の自信のほどがうかがえる、JR福井駅前

久々に降り立った福井駅はすっかり恐竜王国にかわっていた。駅前の動く恐竜モニュメント越しに駅舎を撮ると、外観が自然史博物館にしか見えない。
そんな恐竜王国・福井が2014年7月から野外恐竜博物館なる施設をオープンさせた。

野外恐竜博物館(福井県立恐竜博物館)

福井県立恐竜博物館が行う予約制の化石の発掘現場の見学&発掘体験ツアー。フクイサウルスやフクイラプトルなどの恐竜化石が発見されている手取層群北谷層を訪ねる

ネーミングだけ聞くと、野外に恐竜の像でもが立っていそうだが、化石の発掘現場の見学&発掘体験がセットになった施設である。要予約のツアー形式で、福井県立恐竜博物館に集合して、バスで化石発掘現場へ行くというものだ。1回30名の定員が平日でもほぼ満員。専用バスに乗って、急な林道を進む。

野外恐竜博物館(福井県立恐竜博物館)

一般車両通行禁止の林道なので、こういうお茶目な道路標識も許されるのだろう

目指すは福井県勝山市北谷にある手取層群北谷層(てとりそうぐんきただにそう)。約1億2000万年前の地層であると考えられ、恐竜のほか、ワニ、カメ、魚類、貝類、植物などが産出する。日本で古生物学の研究が最も進んでいるスポットのひとつである。バスに乗ること30分弱で、車窓に北谷層の姿が現れる。

野外恐竜博物館(福井県立恐竜博物館)

手取層群北谷層の遠景。恐竜化石はすべての地層から見つかるわけではなく、ボーンベッドと言われる骨化石密集層があるという

バスを降り、徒歩で谷底へ降りていって、川の対岸から発掘現場を一望。現在は第4次発掘調査が行われている。ブルーシートがかかっている下にはなまなましい地層が露出しているのだろう…(ゴクリ)。

野外恐竜博物館(福井県立恐竜博物館)

観察広場から望む手取層群北谷層。現在、第4次発掘調査がブルーシートのかかった部分で行われている

発掘現場を見学する「観察広場」の足元の砂利にも化石が混じっていることがあるという。下の写真の中央左側の石は植物の化石だそうな。

野外恐竜博物館(福井県立恐竜博物館)

観察広場の足元の砂利。中央左側の石は植物の化石とのこと

展示施設には北谷層から産出した化石や恐竜の足跡などが並ぶ。時間が短いので、ちょっと気ぜわしいのが残念。

野外恐竜博物館(福井県立恐竜博物館)

野外恐竜博物館の展示施設。恐竜の足跡(写真)や動植物化石の解説展示がある

概要を聞いたあと、実際に化石発掘体験。「化石が入っている可能性がある黒っぽい石をさがしましょう」と言われるんだけど、なかなか難しい…。

野外恐竜博物館(福井県立恐竜博物館)

化石発掘体験。目の前の手取層群北谷層から運ばれてきた岩石を発掘する。ハンマーとゴーグルは貸し出されたものを使用する

「私が、黒っぽい石をさがしましょうと言っているのに、白い石をずーっとコンコン叩いている方もいるんですよー」と、ガイドの方が何気にプレッシャーをかけてくる…。白と黒、両方が並んでいれば、どちらが黒かは一目瞭然だが、似たような石がひしめいていると、これが黒っぽい石なのか白なのかがわからない。
なにごとも全体を見て細部を見るということをしなければいけないのだろう——きのこを見つけるには木を、ひいては森を知らなければいけないし、化石を見つけるには岩石を、そして地層を知らないといけないのだなと痛感。

野外恐竜博物館(福井県立恐竜博物館)

いくつか石を割ると、何か有機物らしいものが出てきた

それでも何か有機物っぽいものを見つけたぞ(ヒジキみたいになっている部分)。博物館スタッフ3人が手分けして、アドバイスしたり、質問に答えたりと応対してくれる。スタッフに見せたらこれは植物化石で、このあたりは洪水で巻き込まれてぐしゃぐしゃになった感じのまま化石化したものが多いという。

野外恐竜博物館(福井県立恐竜博物館)

こちらは植物のタネに見えたが、茎の部分だそうだ

化石は握り拳以下のサイズ1個だけ、記念に持ち帰ることができる(但し、研究上必要と思われる場合は博物館に収める)。これにしよっかな。
福引きで言えば末等のティッシュみたいなものかもしれないが、「手取層群北谷層」へ行った思い出だ。
なお、今回のツアーは二枚貝と植物が見つかった程度だったが、ウロコや亀の甲羅のかけらが見つかることもあるという。

野外恐竜博物館(福井県立恐竜博物館)

発掘作業をする場所は屋根付きで、ちょっと天候が悪い時や日差しが強い時でも安心だ

発掘体験は正味20分程度(リピーター用に、地層群や展示施設の見学をカットして発掘に専念する60分コースもある)。実際の発掘調査は、夏休みなどに自然科学系の学生などを動員して、1日8時間で連日おこなうそうだ。1日8時間もやったら、夜、寝ようとして目をつぶっても岩石がでてきそう…。

 野外恐竜博物館(福井県立恐竜博物館)

20分間の発掘体験はあっという間だった。リピーター用に60分コースもある

運がよければ、恐竜の化石が見つかるかも——というツアーであるが、実は化石どころではなく、現生種を見ることもできる、という。
筆者も、最後の最後に博物館のそばで恐竜の現生種を目撃することができた。カメラに収めようと思ったのだが、「カーカー」と鳴いて飛んでいってしまった。まことに惜しいシャッターチャンスを逃した。

というわけで、最後の写真はえちぜん鉄道勝山駅ホームの恐竜の足跡。

野外恐竜博物館(福井県立恐竜博物館)

えちぜん鉄道勝山駅ホームにも点々と歓迎の足跡が

野外恐竜博物館(福井県立恐竜博物館)
住所 福井県勝山市村岡町寺尾51-11(福井県立恐竜博物館)
開催 毎年4月下旬から11月上旬まで
利用料金 一般1200円、高校・大学生1000円、小中学生600円
交通 えちぜん鉄道勝山永平寺線勝山駅よりコミュニティバス15分(福井県立恐竜博物館)
開館年 2014年7月19日
ワンポイント 福井県立恐竜博物館サイト内の予約ページから申し込んで、当日バス出発時刻の30分前までに、福井県立恐竜博物館敷地内にある、野外恐竜博物館受付でチケットを購入する。