日本の中世文書の様式に着目した企画展、歴博で開催

国立歴史民俗博物館「日本の中世文書—機能と形と国際比較」展

中世文書約260点を展示する、国立歴史民俗博物館「日本の中世文書—機能と形と国際比較」展。現代の文書までを視野に入れた、日本の「文書史」をたどることができる構成

中世の古文書の様式に着目した企画展「日本の中世文書—機能と形と国際比較」が、国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)で開催されている。会期は、2018年10月16日〜12月9日。
現代において、ハンコひとつ押すのにも「ここに割り印を押して、ここに捨て印を…」とか、申請の内容によって書類が異なったりなど、契約や申請書の作り方で頭を悩ますことは珍しくないが、これらはなにも現在に突然降って湧いた「作法」ではない。

中世の古文書にも書式や、名前や花押の書き方・書く位置、印の押し方、さらには紙の大きさや種類などに大きな意味があった(だから、都の貴族の一門にでも生まれたのならともかく、地方の領主や成り上がりの新興勢力にとっては、この特有の約束事にさぞ頭を悩ませたに違いない)。

同展では、古代の律令国家で生じた文書の様式が中世の官僚機構や、さらには武家社会、土地売買の書類などへと受け継がれ、変化していく様子を紹介する。同時に当時の外交文書や東アジアの文書も取り上げ、これらの文書の特徴を国際比較の視点からさぐっていく。

中世の古文書において、名前や花押は、相手が目上か目下かによって書かれる位置が異なるので、文書をぱっとみて差出人と受取人の対人関係がわかることがある。さらにこれらの様式のいくつかは、現代にまで受け継がれているものもある。現代の文書のルーツをさぐるという視点から見てみるのも興味深い企画展だ。

なお、会場ではスマートフォンで、Wi-Fiによる音声ガイドを利用することができる(イヤホンやヘッドホンを持参のこと)。また、企画展のサイトで、音声ガイドのデータを提供しているので、携帯音楽プレーヤーにダウンロードして聞くことができる。(試験的な実施とのことで、会場で音声機器の貸し出しは行っていない)

また、会期中の土曜日を中心に、ギャラリートークが行われる。