7万年もの環境データが堆積、福井県年縞博物館がオープン

三方五湖(福井県)

5つの湖が連なる景勝地として知られる三方五湖。手前が、7万年の年縞が確認された水月湖

福井県の三方五湖の畔に、2018年9月15日、福井県年縞博物館(福井県若狭町)がオープン。
年縞(ねんこう)とは湖底に堆積した層のことで、季節によって堆積物が変化するので、ちょうど年輪のように1年に1層、縞模様をなしている。
三方五湖のひとつ水月湖は、湖底の攪乱なども起きず、年縞が形成されやすい環境になっており、その歳月なんと7万年もの年縞が確認されている。

この年縞の放射性炭素の量を測定することで、その年代の正確な放射性炭素の量がわかり、考古学や地質学における年代測定に欠かせない役割を果たす。さらに、年縞に含まれる花粉などを調べることで、周辺の植生や気候変動をさぐることができるという。

博物館は、45mにも及ぶ7万年分の年縞が展示してあるほか、年縞ができる仕組みや年代測定体験コーナー、7万年前から現在までの水月湖周辺の環境変化の解説などが展示されている。隣接して、若狭三方縄文博物館や道の駅「三方五湖」などがある。

なお、この水月湖の年縞が注目され、年代測定のための「世界標準のものさし」として採用に至るまでの経緯や研究者の奮闘については、岩波科学ライブラリー『時を刻む湖-7万枚の地層に挑んだ科学者たち』(中川毅著)に詳しい。