南紀白浜のご当地生物が大集合![京都大学白浜水族館]

京都大学白浜水族館

南紀屈指の観光地・白浜にある1930(昭和5)年開館の老舗の水族館。館名に京都大学と冠しているように、京都大学瀬戸臨海実験所の付属施設だ。展示はすべて白浜周辺の生物で構成され、とりわけ無脊椎動物の展示が充実している(年間展示500種という)。


京都大学白浜水族館

ゆるやかな弧を描いた海岸線をたどっていくと、向こうに白い建物が建つ。館内は大きく4つのブロックに分かれ、そのすべてでご当地の生き物が出迎えてくれる。
水槽が黄の蛍光色に輝いているので何かと思って近づいてみたら、オオカワリギンチャクというご当地の希少種であった。

京都大学白浜水族館

イソギンチャクのくせに粘着力が弱いそうで、いかにも仕事に気合いがなさそうな恰好でごろごろしている。分布しているエリアは、南紀白浜と伊豆大島のみという。おそらく黒潮がその分布に関係しているのだろう。

京都大学白浜水族館

なお、大抵の水族館では「フラッシュ撮影禁止」のような撮影についての注意書きがあるものだが、ここは写真撮影OK(フラッシュ可)で、しかも「上手な写真の撮り方」という掲示まで出ていた。アドバイスまでしてくれる水族館には初めて出会った。

京都大学白浜水族館

展示は中〜小規模の水槽が多く、生息環境別や分類別になっている。
おもしろいのは、カゴカキダイに水槽内で勝手に自然繁殖する小型イソギンチャクを駆除させたり、カワハギにニホンウミケムシが増えすぎないように駆除させたりと、水槽のメンテナンスを生物の生態をよく活かしてやっている点だ。

京都大学白浜水族館

一見ウニしかいない水槽が並んでいたが、二酸化炭素濃度の上昇が海洋動物に与える影響を調べる実験水槽であった。

京都大学白浜水族館

化石燃料の使用など、人間活動により大気中のCO2は上昇していくが、それらの大部分は海洋に溶け込む。この水槽ではさまざまな濃度のCO2を海水に溶け込ませて、それが海洋動物の生存や成長にどのような影響を及ぼすかを数年がかりで調べるという現在進行形の実験だ。
このように、実験の現場も展示できるところは大学の研究機関の面目躍如だろう。

京都大学白浜水族館

見学を終えて、館外へ出ると、円月島にゆっくりと夕日がかかりはじめるところだった。訪れたのは11月の下旬だったので、海岸線にはほとんど人影がない。

京都大学白浜水族館

今は「誰もいない海」だが、一帯は海水浴にも最適だし、レジャーシーズンには家族連れでにぎわうことだろう。水族館では、春・夏・冬休み期間中、ほぼ連日、研究者と飼育係による水族館の生き物についての解説ツアーやバックヤードツアーが行われている。

京都大学白浜水族館
京都大学白浜水族館
住所 和歌山県白浜町459
開館 9:00〜17:00
休館日 年中無休
入館料 大人600円、小中学生200円
交通 JR紀勢本線白浜駅よりバス、臨海下車後すぐ
開館年 1930年6月1日(当時は京都帝国大学理学部附属瀬戸臨海研究所水槽室)
ワンポイント 実験水槽などでは研究の概要がパネルで示され、「この実験から何がわかるのか」という、大学の研究機関ならではの説明がある。