琵琶湖疎水に観光船が復活

琵琶湖疎水

蹴上側から見た琵琶湖疎水(1994年撮影)。右の建物は旧御所水道ポンプ室。奥が第3トンネル

明治時代に京都へ琵琶湖の水を引くために建設された「琵琶湖疎水」に、2018年春から観光船「びわ湖疎水船」が就航した。ルートは大津から山科を経て蹴上(京都市左京区)まで。運航日は2018年3〜5月と10〜11月。土日曜や休日などを中心とした運航スケジュールとなっている。

琵琶湖疎水は、大正時代をピークに舟運による旅客や物資の輸送もさかんに行われていたが、他の輸送手段の発達とともに1951(昭和26)年を最後に舟運が終了した。
疎水周辺は桜の名所として知られており、新たな観光資源として期待する声もあって、京都市と大津市が2015(平成27)年から乗船モニターによる試行船の運航を行い、今回、定期的な就航が実現した。

疎水には、ほとんど人力だけで掘り抜いた全長約2.5kmの第1トンネルなどがあり、トンネル内の暗闇の中に扁額が掲げられていたり、天井から滝のように地下水が滴り落ちているなど、景色以外にも見どころが多い。

琵琶湖疎水の通船は、1907(明治40)年に同地を通った夏目漱石の日記にも触れられており、明治期を彷彿とさせるユニークな京都入りのルートの登場となる。

琵琶湖疎水

観光船の運航は蹴上までだが、かつてはこの先、運河の落差が大きい箇所を通行するため、台車に舟を載せて移動する「蹴上インクライン」が稼働していた