バラエティに富んだこけしの数々[日本こけし館]

日本こけし館

巨大なこけしが目印の「日本こけし館」

東北の民芸品として有名な「こけし」。名湯で知られる宮城県の鳴子はこけしのもっとも古い生産地なのだという(日本こけし館サイトより)。そんな「鳴子こけし」が名物の地に建つのが、およそ5000本のこけしを所蔵するという「日本こけし館」だ。

こけしのできるまでや、歴代の鳴子こけしの工人(作家)の作品、高松宮のこけしコレクションなどが展示されており、そのバラエティの豊富さには、こけしには決して興味があるとはいえない筆者もちょっと引きこまれた。


日本こけし館

同館外観

こけしといえば、顔が描いてあると思いがちだが、抽象の極みに至った南部系こけしの存在は衝撃的だった。装飾が一切廃されて、目鼻ももちろんないのである。まるでアカデミー賞のオスカー像である。まさに抽象の極み。木地の美しさを愛でるのだという。

さらに子どもたちの絵付けをしたこけし(全国こども絵付けコンクールの入賞作品展示)で、また驚かされる。どう見ても大仏であったり、アンパンマンであったり、ガチャピンであったりするようなこけしが陳列されている。

でも、そもそもこけしは、木地師が子どものために作った玩具が発端という説がある。それを歴史が下っていくうちに大人が観賞と芸術の対象にしてしまったのだから、このガチャピンやピカチュウに似たこけしたちは、案外こけし本来のポジションにいるといえるわけだ。

「日本こけし館」は、JR陸羽東線鳴子温泉駅よりタクシーで10分ちょっとだが、歴史好き——特に源義経や松尾芭蕉に興味があるのならば、義経や芭蕉が通ったという言い伝えがある尿前の関と組み合わせて観光してみるのもいい。尿前の関は同館から坂を下って10分ほどだ。

日本こけし館

同館を見学したあとは、路傍の標柱もこけしに見える…

日本こけし館
住所 宮城県大崎市鳴子温泉字尿前74-2
開館 8:30〜17:00(1〜3月休館。12月は開館時間短縮)
入館料 大人320円、小学生80円
交通 JR陸羽東線鳴子温泉駅よりタクシー10分
開館年 1975年