明治・大正期の兵器支廠を博物館に[石川県立歴史博物館]

石川県立歴史博物館

緑の中に年季の入った3棟の赤レンガの建物が見えてくる。これが石川県立歴史博物館

訪れると、まずその建物のインパクトに驚かされる。長さ約90mの赤レンガ建物3棟が平行に並び、その真ん中に通路が設けられている。田楽を3つ、横に並べて脇腹から串刺しにしたような姿を思い浮かべればいい(食べにくそうだが…)。入口は田楽の部分にはなく、串の途中にある。


石川県立歴史博物館

建物は2階建て。それぞれ、明治から大正にかけて造られ、竣工当時の姿に復原されている

この赤レンガの建物はかつて陸軍兵器庫だった。戦後になって金沢美術工芸専門学校(現・金沢美術工芸大学)の校舎として使用されていたものを、県立歴史博物館として再活用しているのだ。

1909(明治42)年竣工の金沢陸軍兵器支廠第5号兵器庫(第3棟)、1913(大正2)年竣工の第6号兵器庫(第2棟)、1914(大正3)年竣工の第7号兵器庫(第1棟)からなり、外観は竣工当時の姿に復原されている。

建物が左右対称に構成されているのは、倉庫という機能的な役割を持っていたからだろうか。内部は当然、耐震などの構造補強がなされているが、3棟の建物それぞれ異なった方式で行ったという。まさか何十年か経って、どの方式がよかったか検証するためでもなかろうが、このあたり、建築を学ぶ人には興味深いと思われる。

石川県立歴史博物館

3つの建物を通路がつなぐ構成。玄関はこの通路に設けられている

館内は8つの展示室と2つの特別展示室が設けられている。
紡績工場の様子を実物大で再現したジオラマ(水車を動力源にして、女工が糸を紡ぐ様子がわかる)は圧巻。また、原寸大の古墳の石室に入れたり(須曽蝦夷穴古墳模型)や、珠洲市の船小屋の復元などの展示がある。第2棟には、歴史体験コーナーが設けられ、鎧の着用や駕篭に乗ってみようなど体験学習を意識した作りになっていて、訪れた時は子どもたちで大賑わいだった。

写真撮影は廊下と階段、及び第2棟以外は禁止なのが残念。第3棟の吹き抜けコーナーなど、建築的に見ても貴重なものがあるようだが、撮影していいゾーンと撮影不可のゾーンをうまく切り分けてもらえればと思う。

石川県立歴史博物館

建物の外観からはちょっと想像できないが、内部はジオラマや歴史体験コーナーが設けられた博物館になっている

石川県立歴史博物館
住所 石川県金沢市出羽町3-1
TEL 076-262-3236
開館 9:00〜17:00(月2日ほどの資料整理期間及び年末年始休館)
入館料 一般300円、大学生240円(特別展は別料金)
交通 JR北陸本線金沢駅よりバス15分「出羽町」下車後、徒歩5分。または兼六園(随身坂口)より徒歩3分
開館年 1986年に第1、第2棟が完成し、石川県立歴史博物館が発足。1990年10月に第3棟が完成して全面開館。同年、赤レンガ建物3棟が国指定重要文化財となる。
ワンポイント 館内に飲食施設はなく、自販機コーナーのみ。