小学校に眠っていた文化財にスポットをあてる企画展、横浜市歴史博物館で

横浜市歴史博物館

横浜市歴史博物館の企画展「よみがえる学校の文化財」展(会期:2016年7月23日〜9月4日)。学校の資料室をリニューアルし、地域に伝わる資料の意義を考える

自分の通った小学校に、農具や土器・石器などを集めた小規模な資料室があったという記憶を持つ人もいることだろう。これらの資料室は、先生や保護者の努力で「ミニ博物館」的に機能しているものもあれば、時の流れと共に「古い物が詰まったなんだかわからない倉庫」になってしまっているものもある。

横浜市歴史博物館(横浜市都筑区)では、これらの資料室の整理と展示のリニューアルをサポートする「博物館デビュー支援事業」を2013(平成25)年より手がけている。

この事業の成果を元にした、企画展「よみがえる学校の文化財」展が、2016年7月23日〜9月4日の会期で開催中だ。観覧は無料(常設展示は有料)。
学校の資料室をリニューアルし、そこに眠る文化財にスポットをあてている。また、リニューアルのbefore/afterをVR(バーチャルリアリティ)で見せる試みも。

学校の資料室なのだから、ありきたりの農具や古道具しかないように思うかも知れないが、博物館でも所蔵していないような農具や資料が保管されていることもあるという。実際に、学校所蔵品の中から、横浜市内最古の万石(米を選別する農具)が見つかったケースもある。

また、農具そのものは特に珍しいものではなくとも、小学校のあるその地域が、50年前あるいは100年前にどのような農具で何を作っていたのかがわかる。

同館は、3年間でおよそ20カ所の学校内歴史資料室を訪れ、6000点を超える資料を整理したという。これは小さな博物館レベルに相当する資料点数だという。これら収蔵されている農具・生活道具などを民俗資料的な視点から考察し、同時に、横浜の地域や歴史の特色を描き出していく。

小学校は、その土地の歴史と密接に結びついている。そこにある資料室というのは、これがうまく機能すれば、その地域の歴史や民俗について博物館のサテライト的な役割をも担うのではなかろうか。

そんな小さな資料室の可能性を感じさせる企画展だ。