関東にトノサマはおらず!?[トウキョウダルマガエル]
トノサマガエル、アマガエル、カエルにいろいろあるけれど、じつは関東近辺にはトノサマガエルはおらず、関東近辺でトノサマガエルと言われているのは、ほとんどがこのトウキョウダルマガエル Rana porosa porosa だという。
かつてはトノサマガエル Pelophylax nigromaculatus が広く分布しているものと思われていたが、隆条(背中の線)に相違があり、また鳴き声も異なっている。
現在では、トノサマガエルは関東周辺を除く本州と四国、九州に分布し、トウキョウダルマガエルは関東地方と仙台平野、信濃川流域に分布している。また、両方の分布が重なる地域では雑種が生まれることもあるという。
このトウキョウダルマガエル、田んぼを主な生息場所にしているのだが、田んぼの減少に加えて、最近の冬期に水を落として完全に乾燥させる田んぼではトウキョウダルマガエルの生息に適さず、生存環境はかなり厳しくなってきているという。
井の頭自然文化園(東京都武蔵野市)ではトウキョウダルマガエルの、繁殖や保全活動にも取り組んでおり…トウキョウダルマガエルって長いな…。「卵かけご飯=TKG」みたいにTDGとか略せないか。
で、2015年7月11日〜9月27日の期間、同園水生物館にて特設展示「田んぼがふるさと トウキョウダルマガエル」を開催している。
会場内にはつぶらな瞳のTDGが群れている。カメラを向けたら、わらわらと、こちらを向いて集まってきた。実にサービス精神旺盛である(オートフォーカスのセンサーにでも反応するのだろうか?)。
ただ田んぼが残っていればいいというわけではないのが、このTDG保全活動の困難なところだ。「環境全体を含めて保護する」とは最近よく聞く言葉だが、TDGはその難しさや価値を考えるひとつのきっかけになるだろう。
トウキョウダルマガエル(Rana porosa porosa) | |
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分類 | 両生綱無尾目アカガエル科 |
大きさ | 体長35~85mm |
分布 | 関東地方と仙台平野、信濃川流域(人為的に持ち込まれものが、北海道岩見沢市で確認されている) |
生息地 | 水田、池 |