工芸品のような史上最大の二枚貝[シカマイア]

シカマイア復元模型:国立科学博物館

シカマイア復元模型:国立科学博物館

水盤として花を生けてもよさそうだし、料理皿としても引き立つかもしれない。そのまま、床の間に飾ってもいい——そんな、品の良さそうな陶器にみえるが、これが生物だというから驚く。

シカマイアという、全長1m以上にもなる二枚貝の復元模型(国立科学博物館)だ。古生代ペルム紀後期に生息し、日本やマレーシアなどから密集して産出する。


シカマイア化石:国立科学博物館

シカマイア化石:国立科学博物館

こんなのがぞろぞろと出てきたら、さぞかし壮観だろうと思われるが、完全体で発見された標本はなく、殻は薄くて圧力によって大きく変形してしまっているそうだ。岐阜大学教育学部のサイト「岐阜の地学」によれば、破壊された牡蠣の巨大な殻が岩石中に散らばっているような状態であるという。

そんなわけなので、1968(昭和43)年に岐阜県の赤坂金生山から産出した化石をもとにして記載された際も、植物か動物かもわからない所属不明の化石として発表された。

シカマイア復元模型:豊橋市自然史博物館

シカマイア復元模型(展示ケース下方の白っぽい物2点):豊橋市自然史博物館

化石がこのような状態なので復元は困難を極め、豊橋市自然史博物館が作成したケースでは、複数の化石標本を組み合わせて検討し、さらに現生種で類似の特徴をもつザルガイ科、フネガイ科、イガイ科の貝類を参考にしている(松岡敬二ほか「シカマイアの復元模型」『豊橋市自然史博物館研報』No.15,2005)。

成長していく過程で、殻の一部がだんだんと反り返っていくそうで、そのためか、豊橋市自然史博物館の復元模型は、国立科学博物館のそれとはだいぶ異なる印象を受けた(上写真)。

また、生態は、大型のシャコガイのように、共生藻類の光合成によって栄養を得ていたと考えられている。

それにしても、国立科学博物館の復元模型は工芸品のような美しさがある。これはそのまま陶器にして、ミュージアムグッズで販売してもいけるのではないだろうか。

シカマイア(Shikamaia akasakaensis)
分類 軟体動物門二枚貝綱アラトコンカ科
大きさ 最大で1m以上
生息地 絶滅(古生代ペルム紀後期)
見学スポット 国立科学博物館(東京・上野)、豊橋市自然史博物館(愛知県豊橋市)に復元模型が常設展示されている。化石は大垣市金生山化石館(岐阜県大垣市)ほか、展示施設多数。